貴金属の高騰!歯科治療にも影響が
皆さんお元気ですか?新型コロナウイルス感染も高止まり状態から少し減少してきたようですね。それでも感染対策に変わりはありません!マスク、手洗い、うがい、三蜜回避、換気などを徹底しましょう…・さて、世界情勢ではロシア―ウクライナの関係がとても厳しい状況ですね。一歩間違えば、大変な状況になる危険性もあります。海外諸国はロシアに経済制裁などを科して、何とか鎮静化しようと尽力しています。これに対してロシアは原油や天然ガス、金属などの海外流出を止めようとしています。日本はロシアから金属、特に「パラジウム」の供給を受けています。「パラジウム」は、自動車産業(ガソリン車の触媒)に次いで多いのが歯科治療(保険治療)に使われている金属です。
12%金を含有し、パラジウム、銀、銅などが含まれています。歯科治療に用いている「12%金銀パラジウム合金」は現在、このような影響を受けてかなり高騰しています。このままの状況が続けば、保険治療に用いることができなくなります。歯科医療界においても大変な状況です。しかし、考え方を変えれば、「金属修復」には多くの課題がありました。審美不良、歯よりも硬いために歯の破折を生じる、金属イオン溶出によって歯や歯肉が黒ずむ、最近では金属アレルギーの懸念も報じられています。現在、保険診療では「金属代替材料」として「CAD/CAM冠」が認められるようになりました。これは、高品質なレジン材料(有機材料)で、機械で加工して歯の形を作るものです。色調も天然歯に近く、見た目もよく、歯と同じくらいの硬さなので歯を破折させることもありません。もちろん金属ではないので、イオンの溶出やアレルギーの心配もありません。当院では「金属修復からの脱却」を勧め、保険治療では「CAD/CAM冠」(適用条件が付いています)、自費治療では「ジルコニア(セラミックス)」で治療を行うようにしています。ご遠慮なくご相談ください。1日も早く、争いごとやコロナ感染が終息することを願っています。
2022年03月12日 21:52