あなたのお口のなかは大丈夫ですか?
「8020運動」という言葉をご存じでしょうか? そう!厚生労働省と日本歯科医師会が提唱してきた「80歳になっても自分の歯を20本の残そう!」という運動です。人間の歯は本来上下あごの歯を合わせて28本あるのが正常ですが、20本以上あれば、自分の歯で噛むことができるという本数です。最近のデータでは75歳~84歳の高齢者で「8020」の達成率は51.2%であると報告されています。すごいですね!ただ、この数字は、「お元気な高齢者の」という条件が付きます。そもそも歯科健診を受診される高齢者はお元気で、介護を受けておられる方や訪問診療を受診されている方のお口の状況はデータには含まれていません。そのような状況をすべて考慮すれば80歳の残存歯数は約10本程度ともいわれています。最近では確かに若年者の「むし歯」が急速に減少していますが、逆に50歳以上の「むし歯」は増加傾向にあります。さらに、40歳以上で歯周病を罹患されている方は4人に1人ともいわれています。歯の失う多くの原因は「むし歯」と「歯周病」です。特に歯周病は、全身の健康とも大きく関わっていることが報告され、糖尿病、心疾患、脳梗塞、認知症、早産などのリスクが高まります。歯周病になれば、原因菌から生じる毒素が出血している歯ぐきの微細な血管から全身に運ばれ、免疫力が抑制され、多くの臓器、ホルモンなどに悪影響を及ぼします。できるだけ早期に「むし歯」や「歯周病」を見つけ出し、治療されることがとても重要です。そのためには「歯科検診」が大切です。一度来院されて、お口のなかの検査やレントゲン検査などによってご自分のお口のなかの状況を把握しておくことが重要です。お口のなかはいつも清潔で、28本の歯(ご自分の歯+人工の歯)によって、しっかりと噛めて、美しい笑みがこぼれる体にしておきたいですね。さあ、「歯科検診」に早速ご予約下さい。(「歯科健診」は学校健診などの集団的な健康診断をいい、「歯科検診」は歯科医院でレントゲン検査などを用いて行う精密な検査のことをいいます)
2022年10月04日 22:52